専門診療
一般診療に加えて様々な分野における専門診療も行っております。当院ではそれぞれ専門性の高い獣医師が在籍しており、病態に合わせた専門スキルを発揮することで、より正確に病気の診断をすることができます。またその分野における専門的な技術をもった先生方をお招きし、より高度な診察を行っております。
腫瘍科 担当医:鈴木宏隆
人と同様に動物も長生きすることで様々な病気か増えてきました。中でもガンは死亡率の上位を占める疾患で、その治療には幅広い知識と総合的な診断が必要となってきます。当院では腫瘍認定医の資格をもつ獣医師を中心にガンに対する治療を専門的に行っております。
当院におけるがん治療の特徴はまず根拠に基づいた最新の治療を実践し、1頭でも多くの動物ががんを克服できるように日々努力を続けています。また、がんの克服を目指すだけでなく、動物とそのご家族の生活の質も重視して診療にあたるように心がけています。
化学療法
リンパ腫といった血液腫瘍やその他の腫瘍に対する抗がん剤治療を実施しています。その病態に合わせ、なるべく負担のかからない化学療法を行うことを心掛けております。
外科療法
ガン治療においては外科治療が必要な場合も多いです。画像診断及び低侵襲外科との組み合わせにより、より正確な診断及び治療を行うことができます。
緩和療法
ガンを患った動物たちのその痛みを緩和させ、なるべく生活の質を保ち、無理なくご自宅で過ごす時間を設けることが緩和治療です。緩和治療はリスクもなく、動物たちとご家族の負担を減らすことが可能です。当院では様々な方法を提案し、そして最期までご家族と一緒に必要な緩和ケアを考えおります。
眼科 担当医:入屋咲葉子
動物の眼科は治療法が確立していない病気も多く、診断および治療に苦慮することが少なくないです。当院では、専門的な検査機械を用い診断をし、 それぞれの疾病に対し最適な治療法を提示できるよう心掛けていきます。
眼圧検査
前眼房と言われる領域は房水といわれる液体で満たされており、その房水により眼は圧力・形態が保たれています。眼圧測定は、房水の圧を調べる検査になります。緑内障の場合その房水の排水が傷害されて眼圧が上がってしまう失明の恐れのある病気です。緑内障の診断の一つに眼圧測定は重要となります。
細隙灯顕微鏡検査
(スリットランプ)検査
眼表面および内部をより詳細に検査をするためにスリットランプ(検眼機)を用いる検査です。眼に細い光を当てて角膜、眼房、虹彩、水晶体などを観察します。また角膜の傷の深さや白内障などの水晶体の異常も調べることができます。
フルオレセイン染色
角膜の上皮という場所は角膜表面からの異物の侵入を物理的に防御しています。フルオレセイン染色とはこの角膜の上皮の潰瘍化や傷害の有無を調べる検査です。また鼻涙管の開存や涙膜層の状態を調べることもできます。
涙液量検査
(シルマーティアーテスト)
眼の表面は、脂質、液体、粘液からなる涙の膜で覆われています。この涙の膜によって細菌などの刺激から眼は守られています。シルマーティアー試験紙は、この涙の量を測定し乾性角結膜炎(ドライアイ)調べる検査です。
眼底検査
眼の一番奥には眼の中を通過してきた光を感知する網膜や視神経などがあります。眼底検査は、眼底レンズを使用して視覚の低下を招いてしまう網膜の病気や高血圧などの全身性の眼疾患を調べる検査です。
超音波検査
超音波検査は眼球に超音波プローブをあてて、内部構造を確認する検査です。
眼球内の出血などにより眼に光が通らず、他の検査が困難な場合や、また眼内の腫瘤性病変や網膜剥離なども調べることができます。
循環器科
担当医:入屋咲葉子 / アドバイザー:大島 奈公子(認定医)
近年ペットの高齢化に伴い心臓病の有病率は年々増加傾向にあります。心臓病は徐々に進行していくため早期発見と正確な状態の把握が重要です。当院ではレントゲン検査、超音波検査血液検査などの検査を組み合わせて病態の把握を行っております。循環器の病態は様々な検査を組み合わせて総合的な診断と治療の提案を行っております。
獣医循環器認定医による専門外来を秋田で受診することができます
レントゲン検査
心臓の肥大があるか、肺や気管、血管等の異常があるかどうかを調べるための検査です。咳や呼吸不全の鑑別診断として有用な検査です。
心エコー検査
心臓の内部構造や大きさの変化、血流などをリアルタイムで確認することができます。 この検査では心臓病の病態の把握と診断を行うことができます。
血圧検査
血圧が正常であるかどうかを調べるための検査です。特に猫では高齢になると高血圧を引き起こす病気になりやすいため血圧の測定は重要となります。当院では診察室内で飼い主様と一緒に測定することができます。
血液検査
心臓の治療においては心臓以外の身体の状態が心臓に影響を及ぼす可能性があります。また心臓病の評価としてのバイオマーカーの測定も行います(ANP, NT-proBNP, cTnI(心筋トロポニン)など)。
再生医療 担当医:大堀文也
「長い間治療を続けているけど治らない」「このまま薬を飲み続けるのが難しい」
病気によっては従来の治療法での完治が難しいものも少なくなく、このようなお悩みを抱えている飼い主さまもいらっしゃるかと思います。
このような場合の次の治療法として、獣医療でも再生医療が近年注目されています。
再生医療とは?
再生医療とは、病気やケガなどによって失われたからだの機能を取り戻すことを目的とした治療法です。
そのうちの『幹細胞療法』は、生きた細胞を投与することによってからだが本来持っている自然治癒力を活かし、病気の完治や症状の改善を目指す治療法です。
当院では、健康なワンちゃん・ネコちゃんから採取した組織から培養して得られた細胞を、病気のワンちゃん・ネコちゃんに投与する『他家細胞移植』を(動物再生医療技術組合さんの臨床研究の一環として)実施しています。
治療の流れ
※現在の病気の症状や治療経過についての確認や治療法に関するご説明など
※病気によって内容が異なります
※静脈点滴(または局所投与)により実施
適応疾患
以下の疾患のうち、これまでの治療法では改善・完治しなかった、または薬の副作用などで現在の治療の継続が難しい場合
- 消化器疾患
- 慢性腸症
- 肝胆膵疾患
- 肝炎/胆管肝炎/膵炎
- 血液疾患
- 免疫介在性溶血性貧血/免疫介在性血小板減少症(イヌ)/非再生性免疫介在性貧血(イヌ)/赤芽球癆(イヌ)/再生不良性貧血
- 内分泌疾患
- 内分泌疾患:糖尿病(イヌ)、膵炎続発性糖尿病(ネコ)
- 泌尿器疾患
- ・泌尿器疾患:慢性腎臓病、急性腎障害
- 呼吸器疾患
- ・呼吸器疾患:喘息(ネコ)
- 神経疾患
- ・神経疾患:椎間板ヘルニア(イヌ)、非感染性髄膜脳脊髄炎、外傷性脊髄損傷
- 骨・関節疾患
- ・骨・関節疾患:関節炎(変形性関節症、免疫介在性多発性関節炎)
- 皮膚疾患
- ・皮膚疾患:アトピー性皮膚炎、天疱瘡
- 眼科疾患
- ・眼科疾患:乾性角結膜炎(イヌ)
- 口腔疾患
- ・口腔疾患:慢性口内炎(ネコ)
- 感染症
- ・感染症:猫伝染性腹膜炎(ネコ)
CT検査 富士フィルム 64列マルチスライスCT Supria Optica
最新鋭の64列マルチスライスCTで短時間に低被曝で体の中をスキャンすることができます。
CT検査とは、X線を使用し身体の断面像を撮影する検査です。レントゲン検査と異なり全身をスキャンすることができ、さらに任意の断面像をコンピューター上で作り出すことができるため、腫瘍性病変や血管走行、臓器の小さな変化の確認に適しています。
さらに血管内に造影剤を投与することで、より詳細に観察することができます。
適応
・体表や腹腔内の腫瘤 →転移の有無や手術計画を立てることができます。
・門脈シャントなどの血管異常
・椎間板ヘルニアなどの神経疾患
・口腔内や鼻腔内の異常など
注意事項
撮影の際には呼吸をとめたり、造影剤の注入を行う必要があります。そのため、基本的に全身麻酔下でCT検査をします。 病態によっては麻酔のリスクが非常に高い場合などに無麻酔で撮影を行うケースもあります。(たとえば肺腫瘍などを疑うが呼吸が苦しい場合など) しかし十分な画像データが得られない可能性がありますが、無麻酔で実施することも相談いたします。